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FUKUOKAゲームインターンシップBLOG

世界、そして、未来を見据える人たちが、福岡にいます。

GFF加盟企業をはじめとする福岡のゲーム企業の現場に入ってその仕事を体験する、ゲームインターンシップ制度。
ゲーム制作の厳しさ、楽しさを学んで、ゲームクリエイターになるきっかけをつかむ体験をブログ形式で報告します。

プランナーコース: 2012年6月アーカイブ

こんにちは!
ゲームデザイナー志望の花田紘基です。

前回のブログから早2週間、ついにインターンシップも終わろうとしています。
この1ヶ月、本当に早かったです。
ゲームを作ることだけを考えられたことが楽しくもあり、自分の足りないところが見えてきて苦しくもある1ヶ月でした。

今回のブログではインターンシップ中、最終の2週間でやってきたことから学んだこと、そしてこのインターンシップを通して学んだことを紹介していきます。


まず、この2週間私が行ってきたことは、ゲームを完成版にするために必要なコンテンツのリストとスケジュールの管理、ゲームの説明画面の作成です。

ゲームの説明画面の作成をしていて学んだことは「説明画面をないがしろにしてはいけない」ということです。

まず、最初に私がつくったのはこちらです。

サイバーコネクトツー花田氏3.jpg
▲最初に制作したゲーム説明画面



私が作った説明画面を指導担当の方々にお見せしたところ「分かりづらいのでもう一工夫入れましょう」「肝心な部分を伝えきれていない」とご指摘を受けました。

今考えると、この説明画面は文字ばかりでプレイヤーは何を読めば良いのかまったくわかりません。

そのご指摘図を受け、図で説明することが大切と感じたので、アーティストの方にお願いをしてレイアウトを私が考え、実際のデータを作っていただくことにしました。

それがこちらです。

サイバーコネクトツー花田氏3[1].jpg
▲修正後の説明画面



図を多く使い、できるだけプレイヤーの方が直感的に理解できるようにしています。

説明画面というのは、ゲームをプレイされる方々からすると本編を始める前に触れていただくところです。
ここでプレイヤーのゲームへのやる気をそぐようなことや、理解できないままゲームを始めて「何をしていいかわからない」と感じさせてしまっては、ゲームの本編がいくら面白くとも評価は落ちてしまいます。

この説明画面の作成を行う作業を通して重要性に気付かされました。

ゲームを始める前の部分であるからこそ、そのことを意識して、プレイヤーが本編で混乱しないようしっかりと作らなければならないということを学ぶことができました。


ゲームを制作していき後は調整という状態になったとき、私は1つ後悔しました。
それは「ゲームとして遊べる部分は速やかにつくること」です。

今回の制作では毎週行われる月曜の全スタッフが参加して朝礼で現場の方々へのモニタープレイをお願いしました。

その甲斐あって、現場の方々がプレイしてその感想を頂くことができました。

サイバーコネクトツー花田氏3[2].jpg
▲プレイしていただいている光景



サイバーコネクトツー花田氏3[3].jpg
▲プレイしていただいた方々のアンケート



その中で多く頂いた意見が「要素を足すことでもっと面白くなると思います。」でした。

ゲームデザイナーとしては「もっと面白くなる」という可能性があるのならば「もっと面白くしたい」というのが性です。

しかし、納期は待ってくれません!!

モニタープレイをお願いしたのが納期の週の初め、つまり5日しかなかったのです。

現場の方々が近くにいて、ご意見を聞けるこんな環境だからこそ、先に遊べる部分だけでもしっかりとつくって、ご意見を頂きたかったと後悔が残ります。

今も「もっと、早くゲームとして遊べる部分だけでもしっかりと作りこんでおきたかった」という気持ちがあります。

この経験を、今後のゲーム制作では判断の基準として活かしていきたいと思います。



インターンシップブログで紹介してきたことや、他の多くのことを学んでいきながら、私たちが制作してきたゲーム「Reflec PONG ⊿(リフレクポンデルタ)」は完成しました。

サイバーコネクトツー花田氏3[4].jpg
▲タイトル画面


このゲームは下記のような円形のフィールドでバーを操作し、ボールを打ち返しあい、スコアで競い合うものです。

サイバーコネクトツー花田氏3[5].jpg
▲対戦画面


本作ではこのスコアの取り方が特殊です。
その方法はボールを自分のバー、壁、自分のバーという順であてることで、上の写真のように自分の面積ができ、その大きさで手に入るスコアが多くなるという仕組みです。

そんな特殊なスコアの入り方だったので、操作説明画面を作るのは苦労しましたが、何とか伝わるものが出来上がっていると思います。


さて、ここまではインターンシップでの最後の2週間で学んだことですが、全体を通して特に学んだことは「納期を守ること」と「プレイヤーを意識すること」です。

学校で学んでいるときでも、言葉では教わってきたのですが、それを感じられるだけの空気がありませんでした。
このインターンシップという現場に近いこの環境だからこそそういった感じられたのだと思います。

納期を守ることを強く意識させられたのはインターンシップ中盤、ゲームが少し形になってきたときのことです。
スケジュールを組んでいったところ、不可能ではないですが、厳しいスケジュールを提示しなければならないところが多く出てきました。

インターンシップ中は「もっと面白くなるのに」という思いだけで走ってしまった前半部分が後半部分のスケジュールを密にしてしまったのです。

納期はそのゲーム一つにあるのではなく、ゲームのパーツ一つ一つにもあるのだと、実感しました。


また、プレイヤーについてはこの1ヶ月間、技術指導担当の方に注意され続けてしまいました。
私としてはプレイヤー目線にたっていたと思っていても、まだまだ甘いということが3日に1回はあったように思います。

「ゲームデザイナーは『わかってください』ではなく、『わかっていただけたでしょうか』のスタンスが一番」だと教わりました。
なによりもお客様、プレイヤーあってのゲームなので、その意識をしっかりともって、プレイヤーを第一に考えることのできるゲームデザイナーを目指します!!

このブログでは語りきることのできない、多くのことを学ぶことができたサイバーコネクトツーでのインターンシップはとても有意義でした。
「ああしていれば」という後悔よりも、残ってここでゲームを開発しながら学んでいきたいとい気持ちでいっぱいです。
本当にこのFUKUOKAゲームインターンシップに来ることができて良かったです。


インターンシップにきて学べたこと、このインターンシップ生だからこそ学べたこと、すべてを活かして、ゲームクリエイターになります!!

このブログを読んでくださった方、サイバーコネクトツーの皆様、インターンシップ生の皆さん、本当にありがとうございました!!



次回(6/7)は、ガンバリオンのインターンシップ生レポートをお送ります。



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■【2012春】サイバーコネクトツー/プランナーコース 花田紘基さん①
【2012春】サイバーコネクトツー/プランナーコース 花田紘基さん②

ガンバリオンプランナーコース最終回となる今回のレポートはインターンの手応えについて、インターン生3人と指導を担当した開発スタッフのインタビューをお届けします。
ゲームのアイデアを練り込むための考え方など、ゲームプランナーを目指している方は必見です!

――:インターンをはじめる時、皆さんは自己紹介で今回のインターンに期待している点を挙げていました。最終的な手応えはどう感じましたか?

前田大樹氏(以下、前田と省略):私は企画書の書き方、発想の仕方など自分に足りてない部分を身につけることが目的でした。最初は企画書の書き方もよく分からない状態でしたが、課題を一つ一つこなしていくにつれて、どうまとめれば面白く、尚且つ分かりやすく伝えられるのか段々と分かってきました。
特に同じインターン生の宮武氏の企画書は、分かりやすくて参考になりました。

宮武亜由美氏(以下、宮武と省略):ありがとうございます。私はゲームの企画や仕様を作成するために必要なことや、その考え方をより具体的に身につけたい目的を持っていて、今回のインターンである程度身につけることができました。それは面白さの軸から外れずに、アイデアをより練り込む考え方です。
具体的に企画書作成のカリキュラムでの実例を紹介しようと思います。

私は3~5歳のお子さんに大人気の「とある国民的アニメキャラ」を題材に「ぬり絵で描いたキャラがTVで動き出す」という企画のアイデアを考案しました。


ガンバリオンプランナーコース3[1].jpg
△企画書(国民的アニメキャラを用いたゲーム)の一部


ここが出発点です。このブログをご覧になっている学生の皆さんは、ここからどういう肉付けをしていきますか?私は最初、ぬり絵のキャラクターでいろんなミニゲームを遊べるものを考えていました。


ガンバリオンプランナーコース3[2].jpg
△いくつか考えたミニゲームのひとつ「お店屋さんごっこ」
お客さん(右の恐竜?)が欲しいものを手(カーソル)で選ぶゲームです

ここで指導担当の方から指摘を受けました。「対象ははじめてゲームに触れるような小さいお子さんだから、もっと直感的で描いた絵を動かせる方がより合っているのでは?」なるほどと思いました。
そしてシステムを練り直して、ぬり絵の紙(タブレットのコントローラー)を振る、息を吹きかける、
傾ける~といった直感的動作で、ぬり絵のキャラが反応するという形になりました。


リアクション説明.jpg
△確かにこちらの方が小さいお子さんには分かりやすく、楽しんでもらえそうです


これが「ぬり絵で描いたキャラがTVで動き出す」という面白さの軸にそった、練り込み方なのだと実感しました。

あと話を戻しますがインターンの期待として、もうひとつ「ゲームを作る企業の雰囲気を知りたい」と思っていました。ガンバリオンホームページの4コマを見ていたので、もっとにぎやかなイメージを持っていたのですが、意外に静かだなぁと思いました。でもそれは気まずい静けさではなく、頑張っている緊張感のある静けさでした。昼休み等、仕事時間外になると、一緒に昼食を食べているグループの方、ゲームやボードゲームを遊んでいる方などメリハリがある職場で働きやすいだろうなぁと思いました。


4コマ.jpg
ガンバリオン公式サイトで連載中
実際に起きたエピソードを4コマ漫画で紹介、シリーズ300話以上続く名物コーナー


川崎:私は「プランナーとして実際の仕事をするには何が必要なのかを知る」という目標がありました。結果たくさん知ることができましたが、特に胸に刻んだことがふたつあります。ひとつ目は「自分の思っていることを十二分に伝えるためのコミュニケーションやプレゼン能力は、アイデアを生み出すのと同じくらいに必要」と分かったこと。ふたつ目は「ゲームは面白いアイデアだけでなく、市場のニーズやゲーム機の性能など、いろいろな条件を満たさないといけないこと」が分かりました。その条件を満たそうとすると今度は面白さが置き去りになり、企画作成のカリキュラムは難しかったです。

もうひとつ、学んだことをどのようにして活かしていくのかを知ることが目的でした。プランナーコースで培った伝える技術は、これからどんな仕事に就いたとしても役に立つことで、大変有意義でした。
あと嬉しかったのが、特別にガンバリオンのサウンドスタッフの方とお話しをする機会を設けていただけたことです。


サウンドのお話しを聞く.jpg
△サウンドスタッフの方も、学生と話す機会はかなり少ないとのことでした


自分は大学で音響設計学科に在籍しており、そこで学んでいることを今後活かしていけるのか不安でしたが、この時「将来何をするにしろ、今やるべきことは同じなんじゃないか」「やったことが将来結びつくかどうかは自分次第で、何事も活かしていかないともったいない」とアドバイスをいただき、心強く感じました。

――:それは貴重な体験でしたね。
それでは皆さんからこのレポートの締めとして、メッセージをお願いします。

宮武:今回、自分の考える企画について、プロのプランナーさんや自分と同じくプランナーを志すインターン生の仲間からもたくさんの意見をもらいました。そこから自分が企画の中で「なにか違う」と感じていた部分を明らかにでき、情報の共有と意見交換の大切さを肌で感じました。毎日が発見と学びに満ちていて、この2週間すべてが刺激的でした。ありがとうございました!

前田:インターンを受けて本当によかったと思っています。インターンシップは現在募集中(2012年6月19日締切り)とのことですが、悩んでいる方はぜったいに応募した方がいいと思います。学校では学べないことがきっと学べるはずです!私の今後は、さらに自分で企画書やプレゼンの技術を磨きつつ、ゲームプランナーへの道を1歩ずつ確実に進んでいきたいと思っています。ありがとうございました。

川崎:福岡市さんから聞いたのですが、福岡県内からのインターン応募が県外より少ないそうです。
すごくもったいないと思います。県外の方は宿泊費の助成(半額、1ヵ月上限5万円)がありますが、僕は市内にある九州大学の学生なので自宅からインターンに通え、負担はほとんどありませんでした。これを読んでいる僕と同じゲームクリエイター志望の方は、まずは応募してみることをオススメします!


――:ありがとうございます、お疲れ様でした。

最後に指導担当の開発プラニングセクション、プランナー浅里祥彬氏(以下、浅里:と省略)、プランナーコースのインターンシップを振り返っての総評をお伝えします。

浅里:前回のレポートでも述べましたが、プランナーコースのインターンの目的は
「実際の仕事としてありそうなカリキュラムをこなすことで、実戦的な技術と自信を身につけて
レベルアップする」ことです。企画書とプレゼンの2本柱のカリキュラムをこなしていき
・ゲーム会社への就職に向けて、合格を狙える企画書の作り方
・プレゼンテーション能力の向上
のスキルアップを図り、最終的には自分の発想や思考の引き出しが増えたのではないでしょうか。

このブログで再三登場した「面白さの軸」は大事なポイントです。アイデア(面白さ)に足すよりも掘り下げていく企画の考え方を覚えてもらい、応募課題作品づくりに役立ててもらえれば嬉しいです。
実際たくさん送られてくるプランナーの応募作品で、核となるアイデア(面白さの軸)の掘り下げの余地が十分あるのに道半ばで終わっているもったいない作品を多く目にするので、ここをクオリティアップできれば武器になると思います。

インターンは限られた期間の中でしたが、それぞれが成長を感じられたようでとても嬉しく思いました。
また教える側の自分たちにとっても刺激になり、よい経験になりました。お互い今回の経験を活かして今後も頑張っていきましょう!
さらに成長し、活躍する姿をどこかで見られる日の来ることを楽しみにしています。

――:ありがとうございました。


いかがでしたか? ガンバリオンプランナーコースは今回で最終回。
次回更新ではCGデザイナーコースについてのレポートをお届けします。
6月7日の更新をお楽しみに!


次回(6/6)は、サイバーコネクトツーのインターン生のレポートをお送りします。
お楽しみに♪



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