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FUKUOKAゲームインターンシップBLOG

世界、そして、未来を見据える人たちが、福岡にいます。

GFF加盟企業をはじめとする福岡のゲーム企業の現場に入ってその仕事を体験する、ゲームインターンシップ制度。
ゲーム制作の厳しさ、楽しさを学んで、ゲームクリエイターになるきっかけをつかむ体験をブログ形式で報告します。

プログラマーコース: 2013年1月アーカイブ

こんにちは。プログラマー志望の石原 裕大です。

今回の更新で2回目になり、また最終のブログともなりました。
今回はα版やβ版の提出、そしてブラッシュアップ期間の出来事についてお話しさせていただきます。

と、その前にまずはα版やβ版、そしてブラッシュアップとは何なのかと思う人もいらっしゃるのではないでしょうか。
かく言う私も詳しい所までは分からず、このFUKUOKAゲームインターンシップに来てから詳しい情報を知りました。
以上の3つについての説明は下記のとおりです。
  ・α版 ... ゲームの内容が大体分かる材料が揃っている状態のこと。
         つまりそのゲームの面白さが組み込まれている。
  ・β版 ... ゲームとして完成している状態のこと。
          しかし、バグ修正やゲームバランスの調整が取られていない状態。
  ・ブラッシュアップ ... β版のときに残っているバグを取ったりゲームバランスの調整をし、
                 製品として売り出せるようにすること。


それでは、α版提出までのお話をさせていただきます。

単刀直入に申し上げますと、α版の制作で、私は大失敗をしてしまいました。

この時の私は、前述の3つの状態の定義が曖昧な理解のままになってしまっていました。
α版ではプレイヤーの挙動をつけるまでは良かったのですが、私が実際にα版として提出したものには
そのプレイヤーの挙動で遊べる"遊び"の部分がまったく実装されておらず
「ただジャンプ出来たり、重力を反転して天井を歩けるだけのゲーム」になっていました。

それは、私の作業優先順位付けが間違ってしまっていたことが大きな原因でした。

まず私が最初に行ったプログラムは、敵の配置や障害物の配置を外部のテキストファイルからゲームに
読み込める
ようにすることでした。
この作業を行うことによって、プログラムで敵を配置したり、障害物を設置したりしなくて良くなるので、
プログラムをいちいち書き換えなくてもよくなります。
さらには、テキストファイルを書き換えるだけで敵の配置や障害物の設置場所を変更ができるので、
プログラムが分からないアーティストやゲームデザイナーさんも敵の配置や障害物の設置を
出来るようになるのです。

石原氏3.jpg
▲外部ファイルのテキストから、敵や障害物を設置する場所を読み取ります。


このように、このプログラムはゲームをつくることにおいては重要な事ですが、その作業はゲームの面白い要素を
ゲームに反映させてからでも遅くありませんでした。

このゲームで一番面白い要素は「重力を反転させて障害物を動かしながら軽快に進んでいく」所です。
外部ファイルよりもまず先に、プログラムを書き換えて敵を配置したり、障害物を設置した方が良かったでしょう。


そして、その次に行ったプログラムが敵の挙動です。
確かに、敵の挙動付けはこのゲームの面白さを出すのに必要なことです。

ですが、時間のコストやその得られる結果の見積もりを考えると、敵は歩かせたり、倒せたりなどと
プログラムしないといけないため結構な時間のコストがかかります。

それに対して障害物の岩については、重力が反転するくらいしか行わなくて良いので、時間もそれほどかからず、
さらにはこのゲームの一番の面白さに大きく影響します。

やはり、この失敗も時間のコストやその得られる結果の見積もりが出来なく作業の優先順位付けを間違った
私の失敗となってしまいました。

話の冒頭でも述べた通り、α版では大失敗をしてしまい随分と長い失敗談になってしまいましたが、
ここで落ち込んでいる暇はありません。次の週にはβ版が控えているため、次はこの失敗から学んだことを
生かしてβ版を仕上げる事が最優先です。


では、私がβ版の提出までに行った事についてお話しいたします。
勿論、α版の時に出せていなかったゲームの面白さを出すことを最優先に作業しました。

まずは障害物の岩のプログラムです。
ここはα版の失敗談でも述べたとおり重力が反転するくらいで、また社員さんからアドバイスを頂きながら作った
障害物や敵の基盤となるプログラムがなかなかの出来ということもあったので、
すぐに終わりにすることができました。

そして次に、敵の配置や障害物の設置を簡単にできるようにしました。
お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、この作業はα版のときにほとんど完成していました。
しかしα版の時点だと、テキストファイルに設置する障害物の種類を表す数値とXとYのそれぞれの座標を入力すれば
敵の配置や障害物の設置が出来るようになっているだけです。
なので、今回はこれに少し改良を加えます、

まず、座標を入力するにも肝心な座標が分からないといけません。
そこで私は、マウスでクリックすれば、場所の座標を取得できるようにしました。
この作業なら時間のコストも少なくて済み、これからのゲーム制作に大きく影響してくれます。

そしてプログラムを終え、出来上がったのが以下の写真の通りです。

FGI2012夏_石原氏2[1].jpg
▲障害物を設置したい場所をマウスでクリック


FGI2012夏_石原氏2[2].jpg
▲クリックした場所の座標がこの黒い画面(コンソール画面)に出力されます


FGI2012夏_石原氏2[7].jpg
▲障害物(今回は木の葉っぱを設置します)の種類を示す数字と黒い画面に出力されていた座標を入力


FGI2012夏_石原氏2[3].jpg
▲すると、何もなかった場所に木の葉っぱが設置されます。


1ヶ月という時間の都合上、今回はここまで出来ていれば充分ということで、これでゲームのステージをつくる
プログラムが完成しました。
後は上記の使い方をゲームデザイナーの菊岡さんに説明し、ゲームのステージの作成をお願いしました。


が、ここに来て、またミスをしていました。

あんなにも時間を掛けたプログラム設計にミスがあったのです。

プログラム設計にミスがあると、思わぬバグが発生しやすくなり、さらにはそのバグの修正も困難になってしまう事が
あります。
今回は、これから気をつけていれば問題ないようなミスで済んでいたので、プログラムを再度設計しなおすか、
そのままにするか悩みました。

今までの私なら、どれだけ時間がかかろうが迷わずプログラムを再度設計し直しますが、α版の制作を経て、
時間の大切さを知ることができたので、時間のコストと得られる結果を見積もった結果、
まずは他の作業に取り掛かりました。

他の作業としてはUIや背景の表示、スッタフロールやエンドテロップなどへの画面の切替えのプログラムです。
この作業はゲームの遊びにはあまり影響はしませんが、ゲームの見栄えをかなり向上させてくれます。

しかし、問題が一つあり、画面の切替えの表現の仕方が、残りの日数を考えるとあまり現実的ではありませんでした。

なので、本来の仕様を変更し、短い作業時間で良い表現ができるものをゲームデザイナーの菊岡さんと
アーティストの髙妻さんと話し合いました。

結論としは、画面全体を覆っている雲がカーテンのような動きで晴れていくということになりました。

FGI2012夏_石原氏2[4].jpg
▲画面を全体を覆っている雲が


FGI2012夏_石原氏2[5].jpg
▲だんだん晴れていきます


このようにα版の失敗から学んだ、時間のコストと得られる結果を踏まえたうえで、作業の優先順位付けを
することによって、α版とは比べ物にならないスピードでゲームが仕上がって行きました。

そして、数々の困難の末、無事にβ版を提出することができました。
α版の時と比べるともはや別ものといえるほど進化したのではないでしょうか。

FGI2012夏_石原氏2[6].jpg
▲α版提出時


石原氏2.jpg
▲β版提出時


ついに「ゲーム」と呼べるところまでつくりあげることができましたが、まだバグの修正作業や操作キャラクターの
移動速度やジャンプの高さ等の細かい修正作業などとやることはまだ山積みです。

そのためにも現在のブラッシュアップ期間では、キャラクター挙動の細かい調整やバグ修正に一生懸命に
取り組んでいます。
ゲームも社員さんに見ていただいたり、実際にプレイしていただいて、ゲームの面白いところや、このゲームの
悪い点などをご指摘いただいています。

しかし、社員さんから頂いたご指摘全てをゲームへ影響させて行く事は厳しいので、どの良い点を伸ばして、
どの悪い点を改善していけば、今ある限られた時間の中で、より良いゲームに近づくかをチームで相談しています。

そして、今このブログを書いている現在も時間が刻々と過ぎていき、残りのFUKUOKAゲームインターンシップも
本当に僅かな時間となってしまいました。

今回、FUKUOKAゲームインターンシップとして私の第一希望であるサイバーコネクトツーのもとで約1ヵ月を
過ごすことで学んだことはたくさんありました。

中でも、時間の大切さについては、α版、β版そして今のブラッシュアップ期間からも身を持って体感することが
できました。
そして、それと同等に大切なことがコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力とは人とただ会話できるだけではなく、自身の考えをうまく相手に伝える重要な力だと
分かりました。

これらのFUKUOKAゲームインターンシップから学んだことは専門学校に戻ってからの生活でも大きな変化を
もたらすでしょう。

また、FUKUOKAゲームインターンシップは約1ヶ月と長いようでとても短く感じる期間ですが、その期間から学ぶものは1年、10年とこれからの人生に大きな良い影響を与えてくれるものばかりです。

そして、この私の書いたブログが、みなさんのFUKUOKAゲームインターンシップへ参加するきっかけの一つになればと思います。
最後に、今回3人と少ないチームで1ヶ月という短い期間の間一緒に頑張ってくれた菊岡さんと髙妻さん、
サイバーコネクトツー全社員様、そしてこのブログを呼んでいただいたみなさま。
今まで本当にありがとうございました。

FGI2012夏_石原氏2[8].jpg
▲左からアーティストの髙妻さん、私、ゲームデザイナーの菊岡さん


>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プログラマーコース 石原裕大さん(1)

>>サイバーコネクトツーのウェブサイトはこちら


ポスター
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