こんにちは!アーティスト志望の塚本です。
FUKUOKAゲームインターンシップに参加して早くも3週間が経ちました。
サイバーコネクトツーのFUKUOKAゲームインターンシップでは、インターンシップ生で構成されたチームで、1つのゲームを制作します。
チーム構成は、私を含めてアーティストが3人、プログラマーが3人、ゲームデザイナーが1人というチームで構成されています。
(アーティストは背景モデラー志望、キャラモデラー志望、エフェクトアーティスト志望でした。)
インターンシップ初日、今回制作するゲームのテーマが与えられました。
それは、「PONG2012」です。
正直なところ、ゲームクリエイターを志望している身なのですが、「PONG?ポンって何?」というところから始まりました。
PONGとは、ボールをバーで打ち合って得点を競い合うテニスのようなゲームで、その登場は1972年です。なんと今から40年も前に登場したゲームです。
このPONGをいかに2012年らしくゲームで表現することができるか?ということがポイントになります。
私達はまず初めに、チーム全員で「PONGの面白さとは?」について意見を出し合ってPONGの面白い部分を抽出しました。
意見を出し合っていて感じたことは、1つのゲームに含まれる「面白さ」の部分の多さに驚きました。
ユーザーによって、それぞれが感じる「面白さ」はたくさんあることを学びました。
意見出しの中で、私達はPONGの「反射する楽しさ」「ラリーを続ける楽しさ」「対戦」という部分に注目しました。
逆にいえば、「この要素があればPONGだろう!」という部分でもあります。
次に、「2012年らしさ」という部分について考えました。
2012年だからこそできるPONGにしようという話になり、少し安直かもしれませんが「3Dで表現すること」に決定しました。
「2012年だからこそできる」というところまでは比較的早く決まりました。
しかし、ゲームは「ただつくりたいものを、つくれば良い」というわけではありません。
「新しいか、面白いか、それが売れるか」という部分が、ゲーム制作では大事になってきます。
ユーザーのニーズに合わせてゲームという商品を、楽しんでいただくということがゲームクリエイターの仕事です。
自分達のつくりたいものをつくっていては、ただの自己満足になります。
そこでまず、ターゲットを10代に絞り、その層のユーザーが何を求めているのかを考えて制作に入ることにしました。
そうすることで、「小さい子供でもわかるように操作は簡単にしよう」「グラフィックや世界観は少しデフォルメをかけよう」・・・など、設定も決まりやすくなっていきます。
ある日、開発スタッフの方に「初めにしっかりとゲームの根底を決めること」というアドバイスをいただきました。
誰か1人でも「これ面白いのかな~・・・」という疑問を持ったままずるずると制作を進めていくと、面白みに欠けたレベルのゲームになってしまいます。
私達は、ゲームデザイナーだけに頼らず、小まめにミーティングを行い、全員で意見を出し合いながら「全員が納得できるゲームをつくること」に注意しました。
そのために、最初に決めていたスケジュールからかなり遅れてしまいました。
また、「これはいける!」と思って制作に取り掛かったものの、途中で「ボツ案」になってしまったこともありました。
例えば「横スクロールのPONG」など、たくさんの企画が出てきましたが、「新しさ」に捕らわれすぎていて、PONGから離れすぎてしまっていたり、逆に、従来のPONGと大差が無かったり...と大変苦労しました。
しかし、私達はこのように紆余曲折を繰り返しながら、なんとか「新しいPONG」といえるゲーム内容に辿り着くことができました。
それは、従来の四角形のフィールドとは違い、円形のフィールド内を360度、動き回れるというPONGです。
また、従来のPONGとは得点方法が違い、「ボールを跳ね返した地点」と「ボールが壁にバウンドした地点」そして「跳ね返ってきたボールを再び触った地点」の3点で形成される三角形の面積が得点となります。
大きな面積になるほど、高得点なのですが、相手の三角形が重なると、重なった分相手にボーナス得点が入るので、大きい面積を狙いすぎると相手がボーナスを狙い安くなるデメリットもあります。
そのため、「大きい三角をつくり、高得点を狙うのも良し。小さい三角をつくり、コツコツと無難に得点を稼ぐのも良し。」という「かけひき」という面でも面白いゲームになりました。
ただ打ち合うだけならば、従来の四角フィールドのPONGでも円形フィールドのPONGでも可能ですが、ミス時に必ず三角形が形成されるという点は、円形フィールドならではの要素となります。
このように少しずつ、ゲームが出来ていくことの楽しさを実感しながら制作しています。
さて、ゲームの根底が決まると、アーティストは、いよいよゲームが繰り広げられる場所や世界観設定を決めていくことになります。
従来のPONGは、SFや機械的な世界観で表現してあるものが多かったのですが、今回は、子供が喜びそうなファンタジー色を強めに表現することに決めました。
まず、私は背景モデラー志望なので、世界観を設定したり、軽いイメージボードを数枚描いたりしました。
「フィールドデザインはステンドグラスが良い」ということになったので、少し神聖な世界観で「天使達の遊び場」の様なイメージにしました。
制作で苦労したことは、サイバーコネクトツーで使用する3Dソフトは触ったことがなかったので、一から参考書やインターネットで操作を覚えることから始まったことです。
物量が比較的多い背景モデラーにとって「作業スピードを上げること」と「スケジュール管理」には苦労させられました。
そしてさらに、今回のゲーム制作ではアーティストの中でも「リードアーティスト」という役(他のアーティストのテクスチャの修正や、次の作業に進んで良いかの決定権を持ち、全体の進捗を管理するアーティストのリーダー)になったので、さらに物量が増えて大変です。
ゲーム制作において、アーティストの役割は「見える部分は全部をつくる」というわけではありません。
見えていてもプログラマーが表現するところもあります。
例えば、今回の制作の場合、ステンドグラスの部分はプログラマーが表現することになりました。
しかし、だからといって、アーティストは何もしなくて良いということではありません。
見えているビジュアルには全て関わる必要があります。
ステンドグラスの質感や色、空気感、カメラアングルなどの確認などです。
このような経験は、ゲーム制作をしない限り学べないことなので、本当に貴重な経験ができていると思います。
インターンシップも残すところ後2週間になりました。
毎日全員で楽しく作業できているので、とても充実しています!
スケジュールはかなりカツカツですが、チーム全員で完成を目指していきたいと思います!
次回は、デジタルハーツのインターンシップ生のレポートをお送りします。
お楽しみに♪
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■【2012春】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 塚本康史さん①
FUKUOKAゲームインターンシップに参加して早くも3週間が経ちました。
サイバーコネクトツーのFUKUOKAゲームインターンシップでは、インターンシップ生で構成されたチームで、1つのゲームを制作します。
チーム構成は、私を含めてアーティストが3人、プログラマーが3人、ゲームデザイナーが1人というチームで構成されています。
(アーティストは背景モデラー志望、キャラモデラー志望、エフェクトアーティスト志望でした。)
インターンシップ初日、今回制作するゲームのテーマが与えられました。
それは、「PONG2012」です。
正直なところ、ゲームクリエイターを志望している身なのですが、「PONG?ポンって何?」というところから始まりました。
PONGとは、ボールをバーで打ち合って得点を競い合うテニスのようなゲームで、その登場は1972年です。なんと今から40年も前に登場したゲームです。

▲PONGのイメージ図
このPONGをいかに2012年らしくゲームで表現することができるか?ということがポイントになります。
私達はまず初めに、チーム全員で「PONGの面白さとは?」について意見を出し合ってPONGの面白い部分を抽出しました。
意見を出し合っていて感じたことは、1つのゲームに含まれる「面白さ」の部分の多さに驚きました。
ユーザーによって、それぞれが感じる「面白さ」はたくさんあることを学びました。
意見出しの中で、私達はPONGの「反射する楽しさ」「ラリーを続ける楽しさ」「対戦」という部分に注目しました。
逆にいえば、「この要素があればPONGだろう!」という部分でもあります。
次に、「2012年らしさ」という部分について考えました。
2012年だからこそできるPONGにしようという話になり、少し安直かもしれませんが「3Dで表現すること」に決定しました。
「2012年だからこそできる」というところまでは比較的早く決まりました。
しかし、ゲームは「ただつくりたいものを、つくれば良い」というわけではありません。
「新しいか、面白いか、それが売れるか」という部分が、ゲーム制作では大事になってきます。
ユーザーのニーズに合わせてゲームという商品を、楽しんでいただくということがゲームクリエイターの仕事です。
自分達のつくりたいものをつくっていては、ただの自己満足になります。
そこでまず、ターゲットを10代に絞り、その層のユーザーが何を求めているのかを考えて制作に入ることにしました。
そうすることで、「小さい子供でもわかるように操作は簡単にしよう」「グラフィックや世界観は少しデフォルメをかけよう」・・・など、設定も決まりやすくなっていきます。
ある日、開発スタッフの方に「初めにしっかりとゲームの根底を決めること」というアドバイスをいただきました。
誰か1人でも「これ面白いのかな~・・・」という疑問を持ったままずるずると制作を進めていくと、面白みに欠けたレベルのゲームになってしまいます。
私達は、ゲームデザイナーだけに頼らず、小まめにミーティングを行い、全員で意見を出し合いながら「全員が納得できるゲームをつくること」に注意しました。
そのために、最初に決めていたスケジュールからかなり遅れてしまいました。
また、「これはいける!」と思って制作に取り掛かったものの、途中で「ボツ案」になってしまったこともありました。
例えば「横スクロールのPONG」など、たくさんの企画が出てきましたが、「新しさ」に捕らわれすぎていて、PONGから離れすぎてしまっていたり、逆に、従来のPONGと大差が無かったり...と大変苦労しました。
![サイバーコネクトツー塚本氏2[1].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B1%5D.jpg)
▲制作途中でボツになったゲームのイメージボードの一例
しかし、私達はこのように紆余曲折を繰り返しながら、なんとか「新しいPONG」といえるゲーム内容に辿り着くことができました。
それは、従来の四角形のフィールドとは違い、円形のフィールド内を360度、動き回れるというPONGです。
また、従来のPONGとは得点方法が違い、「ボールを跳ね返した地点」と「ボールが壁にバウンドした地点」そして「跳ね返ってきたボールを再び触った地点」の3点で形成される三角形の面積が得点となります。
大きな面積になるほど、高得点なのですが、相手の三角形が重なると、重なった分相手にボーナス得点が入るので、大きい面積を狙いすぎると相手がボーナスを狙い安くなるデメリットもあります。
そのため、「大きい三角をつくり、高得点を狙うのも良し。小さい三角をつくり、コツコツと無難に得点を稼ぐのも良し。」という「かけひき」という面でも面白いゲームになりました。
ただ打ち合うだけならば、従来の四角フィールドのPONGでも円形フィールドのPONGでも可能ですが、ミス時に必ず三角形が形成されるという点は、円形フィールドならではの要素となります。
![サイバーコネクトツー塚本氏2[2].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B2%5D.jpg)
▲ゲームデザイナーがルールをチーム全員に説明しています
![サイバーコネクトツー塚本氏2[3].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B3%5D.jpg)
▲ゲームのイメージ
このように少しずつ、ゲームが出来ていくことの楽しさを実感しながら制作しています。
さて、ゲームの根底が決まると、アーティストは、いよいよゲームが繰り広げられる場所や世界観設定を決めていくことになります。
従来のPONGは、SFや機械的な世界観で表現してあるものが多かったのですが、今回は、子供が喜びそうなファンタジー色を強めに表現することに決めました。
まず、私は背景モデラー志望なので、世界観を設定したり、軽いイメージボードを数枚描いたりしました。
![サイバーコネクトツー塚本氏2[4].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B4%5D.jpg)
▲ゲームのイメージボード世界観
「フィールドデザインはステンドグラスが良い」ということになったので、少し神聖な世界観で「天使達の遊び場」の様なイメージにしました。
制作で苦労したことは、サイバーコネクトツーで使用する3Dソフトは触ったことがなかったので、一から参考書やインターネットで操作を覚えることから始まったことです。
物量が比較的多い背景モデラーにとって「作業スピードを上げること」と「スケジュール管理」には苦労させられました。
![サイバーコネクトツー塚本氏2[5].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B5%5D.jpg)
▲制作途中の3Dモデル
![サイバーコネクトツー塚本氏2[6].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B6%5D.jpg)
▲真上アングルでプレイするという案が出た時に使用した画面
![サイバーコネクトツー塚本氏2[7].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B7%5D.jpg)
▲何を入れて何を入れないのかや質感などを決める際に、
ゲームデザイナーとの打ち合わせで使用した画面
ゲームデザイナーとの打ち合わせで使用した画面
そしてさらに、今回のゲーム制作ではアーティストの中でも「リードアーティスト」という役(他のアーティストのテクスチャの修正や、次の作業に進んで良いかの決定権を持ち、全体の進捗を管理するアーティストのリーダー)になったので、さらに物量が増えて大変です。
ゲーム制作において、アーティストの役割は「見える部分は全部をつくる」というわけではありません。
見えていてもプログラマーが表現するところもあります。
例えば、今回の制作の場合、ステンドグラスの部分はプログラマーが表現することになりました。
しかし、だからといって、アーティストは何もしなくて良いということではありません。
見えているビジュアルには全て関わる必要があります。
ステンドグラスの質感や色、空気感、カメラアングルなどの確認などです。
![サイバーコネクトツー塚本氏2[8].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E6%B0%8F2%5B8%5D.jpg)
▲プログラマーとステンドグラスの色幅をつくるのか、つくらないのかの確認の時に使ったもの
このような経験は、ゲーム制作をしない限り学べないことなので、本当に貴重な経験ができていると思います。
インターンシップも残すところ後2週間になりました。
毎日全員で楽しく作業できているので、とても充実しています!
スケジュールはかなりカツカツですが、チーム全員で完成を目指していきたいと思います!
次回は、デジタルハーツのインターンシップ生のレポートをお送りします。
お楽しみに♪
<関連記事>
■【2012春】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 塚本康史さん①