こんにちは。アーティスト志望の相川です。
前回は、ゲームの主な内容紹介と、キャラクターのモデリングについて書きましたので、今回は、その後制作した「テクスチャ(オブジェクトの表面に貼り付ける質感や模様)」および、「ボーン(キャラクターを動かすために使用する骨)」の組込み作業について書きたいと思います。
まずはテクスチャですが、テクスチャを制作する前に、モデリングしたキャラクターの展開図(下記画像①参照)を作ります。
展開図を作ることで、初めてテクスチャを描き込むことができます。
展開図を作る際に気を付けるべきことは、顔や模様など、細かく描き込みたい部分を拡大して展開することです。
今回は天使の顔を一番描き込みたいので、顔を大きめに展開しました。
また、腕や脚など、左右反転して使用できるものは同じ大きさに重ねて展開します。
「テクスチャ」の画像サイズは、2のべき乗(2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024・・・)で制作するのですが、天使は背景に比べるとあまり大きく映らないので、256×256 pixelで作成しています。
①展開時のテクスチャです。
この展開図の描き込んだものが、それぞれ対応するポリゴンに描かれます。
②カラーテクスチャです。
色や質感を描き込みます。
描き込んだものの場所がきちんと合っているかを、3Dモデリングソフトの3ds Max内のレンダリング(データを画像として生成すること)画像と見比べながら、 ドローイングソフトのPhotoshopを使って描いていきます。
③透過用のテクスチャです。
髪の毛先部分と、スカートの裾部分を透過させたいので、透過させたい部分を黒で塗りつぶし、残したい部分を白で塗りつぶします。
レンダリング(データから画像や映像を生成)すると、下のように前髪部分とスカートの裾部分がきちんと透過されます。
(天使の輪と羽は、立体ではなく平面のポリゴンに、テクスチャおよび透過テクスチャを使用しています。)
テクスチャを描き込んでいく際、レイヤー(画像をセル画のように重ねて使うことのできる機能)を細分化することの重要さを学びました。
これまで一人で制作を行っている時は、大まかなパーツごとのレイヤー+α程度のレイヤー数で描き込んでいたのですが、チーム制作やプロの制作の現場では、後に修正が入ったり、別の人が作業を引き継ぐことが考えられます。
そういった時に、大袈裟に言うと、1枚のレイヤーに全て描かれていたのでは修正や引継ぎが大変です。
そこで、パーツごとに、べた塗り・影・ハイライト・描き込み部分+α等に更に細分化することで、色味や形状の変更・修正がスムーズに行くようデータを修正しました。
一人で制作を行っている時は、別の人が引き継ぐ場合を考えたことがありませんでしたが、チーム制作を通して、「誰が見ても解りやすいようにデータを作る」ということの大切さを学びました。
次に、「ボーン」の組み込みについてです。
今回はキャラクターが人の形状なので、3ds Maxに内蔵されている、Bipedと呼ばれる人形のボーンを使用しました。
アニメーションを付ける必要ない、手足の指のボーンは無くし、背骨のボーンは最小限に設定しています。
キャラクターの形に合わせて等身を調整した後は、「ウエイト(ボーンごとに設定された影響範囲)」の調整に入ります。
下記の図では、左足のボーンに右足の一部も含まれています。
(ウエイトの設定が大きい箇所は赤、ウエイトの設定が小さい箇所は青、ウエイトが全く設定されていない箇所は灰色になります)
これでは左足を動かした際に、右足の一部も一緒に動いてしまうため、ウエイトを調節し、右足だけがきちんと動くようにします。
現在、「PONG2012」のβ版(バグは残っているけれど、ゲームを一通りプレイできる状態)に向けてチームで制作を進めていますが、チーム内の意思疎通と確認の重要性をとても強く感じています。
自分の担当するアーティスト内の意思疎通はもとより、プログラマーやゲームデザイナーとの意思疎通もとても重要です。
アーティストの中では常識と思っていたことでも、プログラマーやゲームデザイナーにとっては別の捉え方であったり、プログラム的に実現できなかったりすることもあります。
また、各自が思っていることが、チーム全体の考えと違っている場合もあります。
そういった際に、「この方法でできるのか」「できないのならば他の方法はあるのか」「この解釈で合っているのか」といったことを、高い頻度でコミュニケーションし合うことがとても大切だと感じました。
制作はいよいよ大詰めです。
次回はゲームの全貌と、追加で担当した制作箇所の紹介をしたいと思います。
次回は、サイバーコネクトツーのインターンシップ生のレポートをお送りします。
お楽しみに♪
<関連記事>
■【2012春】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 相川美咲さん①
■【2012春】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 相川美咲さん(最終)
前回は、ゲームの主な内容紹介と、キャラクターのモデリングについて書きましたので、今回は、その後制作した「テクスチャ(オブジェクトの表面に貼り付ける質感や模様)」および、「ボーン(キャラクターを動かすために使用する骨)」の組込み作業について書きたいと思います。
まずはテクスチャですが、テクスチャを制作する前に、モデリングしたキャラクターの展開図(下記画像①参照)を作ります。
展開図を作ることで、初めてテクスチャを描き込むことができます。
展開図を作る際に気を付けるべきことは、顔や模様など、細かく描き込みたい部分を拡大して展開することです。
今回は天使の顔を一番描き込みたいので、顔を大きめに展開しました。
また、腕や脚など、左右反転して使用できるものは同じ大きさに重ねて展開します。
「テクスチャ」の画像サイズは、2のべき乗(2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024・・・)で制作するのですが、天使は背景に比べるとあまり大きく映らないので、256×256 pixelで作成しています。

▲ 製作中のテクスチャです
①展開時のテクスチャです。
この展開図の描き込んだものが、それぞれ対応するポリゴンに描かれます。
②カラーテクスチャです。
色や質感を描き込みます。
描き込んだものの場所がきちんと合っているかを、3Dモデリングソフトの3ds Max内のレンダリング(データを画像として生成すること)画像と見比べながら、 ドローイングソフトのPhotoshopを使って描いていきます。
③透過用のテクスチャです。
髪の毛先部分と、スカートの裾部分を透過させたいので、透過させたい部分を黒で塗りつぶし、残したい部分を白で塗りつぶします。
レンダリング(データから画像や映像を生成)すると、下のように前髪部分とスカートの裾部分がきちんと透過されます。
(天使の輪と羽は、立体ではなく平面のポリゴンに、テクスチャおよび透過テクスチャを使用しています。)
![サイバーコネクトツー相川氏2[5].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E7%9B%B8%E5%B7%9D%E6%B0%8F2%5B5%5D.jpg)
▲ レンダリング画像
テクスチャを描き込んでいく際、レイヤー(画像をセル画のように重ねて使うことのできる機能)を細分化することの重要さを学びました。
これまで一人で制作を行っている時は、大まかなパーツごとのレイヤー+α程度のレイヤー数で描き込んでいたのですが、チーム制作やプロの制作の現場では、後に修正が入ったり、別の人が作業を引き継ぐことが考えられます。
そういった時に、大袈裟に言うと、1枚のレイヤーに全て描かれていたのでは修正や引継ぎが大変です。
そこで、パーツごとに、べた塗り・影・ハイライト・描き込み部分+α等に更に細分化することで、色味や形状の変更・修正がスムーズに行くようデータを修正しました。
一人で制作を行っている時は、別の人が引き継ぐ場合を考えたことがありませんでしたが、チーム制作を通して、「誰が見ても解りやすいようにデータを作る」ということの大切さを学びました。
次に、「ボーン」の組み込みについてです。
今回はキャラクターが人の形状なので、3ds Maxに内蔵されている、Bipedと呼ばれる人形のボーンを使用しました。
![サイバーコネクトツー相川氏2[6].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E7%9B%B8%E5%B7%9D%E6%B0%8F2%5B6%5D.jpg)
▲ Bipedの画像です
アニメーションを付ける必要ない、手足の指のボーンは無くし、背骨のボーンは最小限に設定しています。
キャラクターの形に合わせて等身を調整した後は、「ウエイト(ボーンごとに設定された影響範囲)」の調整に入ります。
下記の図では、左足のボーンに右足の一部も含まれています。
(ウエイトの設定が大きい箇所は赤、ウエイトの設定が小さい箇所は青、ウエイトが全く設定されていない箇所は灰色になります)
これでは左足を動かした際に、右足の一部も一緒に動いてしまうため、ウエイトを調節し、右足だけがきちんと動くようにします。
![サイバーコネクトツー相川氏2[8].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E7%9B%B8%E5%B7%9D%E6%B0%8F2%5B8%5D.jpg)
▲ ウエイト調整の様子
現在、「PONG2012」のβ版(バグは残っているけれど、ゲームを一通りプレイできる状態)に向けてチームで制作を進めていますが、チーム内の意思疎通と確認の重要性をとても強く感じています。
自分の担当するアーティスト内の意思疎通はもとより、プログラマーやゲームデザイナーとの意思疎通もとても重要です。
アーティストの中では常識と思っていたことでも、プログラマーやゲームデザイナーにとっては別の捉え方であったり、プログラム的に実現できなかったりすることもあります。
また、各自が思っていることが、チーム全体の考えと違っている場合もあります。
そういった際に、「この方法でできるのか」「できないのならば他の方法はあるのか」「この解釈で合っているのか」といったことを、高い頻度でコミュニケーションし合うことがとても大切だと感じました。
![サイバーコネクトツー相川氏2[4].jpg](https://www.gff.jp/internship/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%84%E3%83%BC%E7%9B%B8%E5%B7%9D%E6%B0%8F2%5B4%5D.jpg)
▲ ゲームデザイナー(手前)とアーティスト3名の話し合いの様子
制作はいよいよ大詰めです。
次回はゲームの全貌と、追加で担当した制作箇所の紹介をしたいと思います。
次回は、サイバーコネクトツーのインターンシップ生のレポートをお送りします。
お楽しみに♪
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■【2012春】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 相川美咲さん①
■【2012春】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 相川美咲さん(最終)